チャン・イーモウ

特別功労賞

世界的に著名な中国の巨匠、チャン・イーモウ監督にLifetime Achievement Award(特別功労賞)を授与することを発表いたしました。本賞は、アジアの映画界において永年にわたり功績を残し、多大なる影響を与えた映画人を称える、AFAの最高賞です。監督は、昨年の第36回東京国際映画祭(TIFF)に、2023年のヒット作品『満江紅(マンジャンホン)』とともに参加し、TIFFでも特別功労賞を受賞。また映画祭参加者向けにマスタークラスも実施しました。

また今回同時に、アジア映画による優れた世界興行成績を表彰する「2023Higest-Grossing Asian Film Award」を、『満江紅(マンジャンホン)』が受賞することも発表されました。本賞は、日本のアニメ長編作品としては初めて、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、2021年の第15回AFAで受賞しています。

この2つの賞は、チャン・イーモウ監督の卓越した業績の証となるばかりでなく、第4回AFA(2010)でのAsian Film Contribution Awardの受賞、第15回AFA(2015)に『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』での最優秀監督賞の受賞に続く、継続的な成功を示すものでもあります。監督は、第17回AFAの授賞式に参加する予定です。


チャン・イーモウ監督コメント

「映画製作を生涯の仕事として選んだことは、とても幸運なことだと思っています。40年以上この業界に身を置いていますが、私の映画を評価してくださるすべての方々に感謝しています。変わらぬご支援とご声援をありがとうございます。私はこれからも学び続け、自分を超えるために努力します。未来への期待を常に持って、私の最高の作品が次の作品になることを願っています。」

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中国映画界の第五世代のアイコン的な存在として称されるチャン・イーモウ監督は、1984年に『一人と八人』で撮影監督してデビュー。

同年には、チェン・カイコー監督の長編デビュー作『黄色い大地』の撮影監督も務め、中国映画界の最高賞である「金鷄奨」の最優秀撮影賞に加え、ハワイ国際映画祭やナント三大陸映画祭の国際映画祭でも同賞を受賞しました。また、初期の撮影監督としての活動に加え、多彩な才能を発揮し、『古井戸』(1987、ウー・ティエンミン監督)では俳優としてもスクリーンに登場し、その演技で金鷄奨、百花賞、さらに第2回TIFFで最優秀男優賞を獲得し、国際映画祭で最優秀男優賞を獲得した初めての中国人として快挙を達成しました。

1988年には、『紅いコーリャン』で監督デビューし、その強烈な色彩と大胆な語り口で、瞬く間に国際的な名声を獲得。第38回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞し、中国映画としては初めて世界三大映画祭での主要な賞を受賞しました。彼の初期の作品は農村の生活を舞台にしたものでしたが、『初恋のきた道』を含む1988年から1999年までの作品は、主に現代中国の社会発展を記録し、さまざまな時代の中国人の生活を描きました。

1991年の『紅夢』は第44回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞し、第64回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたほか、続く1992年の『秋菊の物語』は第45回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞、1994年の『活きる』ではカンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞し、監督デビューしてからわずか7年で、世界3大映画祭すべてで最高賞を獲得しました。2000年以降は娯楽超大作へと新境地を開拓、『HERO』(2003)、『LOVERS』(2004)、『王妃の紋章』(2008)など多くの大ヒット作を監督し、中国の興行記録を更新し続けました。2015年には初の英語作品となる『グレートウォール』を監督し、その後も興行的な大ヒット作品を生み続けています。

 

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